【実施概要】
●日 時 令和6年1月27日(土)13:30~16:00
●場 所 OMソーラー㈱「地球のたまご」2階 カフェテリア
●内 容
(1) 開会あいさつ
①はまなこ環境ネットワーク あいさつ(代表 芥川知孝氏)
②静岡県あいさつ (自然保護課 室長 松野照人氏)
(2) 情報提供
①ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ協定の概要(静岡県)
②パートナーシップ協定締結企業から活動紹介(須山建設㈱)
③浜名湖のいきもの環境(浜名湖パドル 代表 鈴木克章氏)
(3)リレートーク(希望団体・チラシ等配布団体)
5団体@5分程度
(4)意見交換会
テーマ:浜名湖の環境と生物多様性
論 点:持続可能な活動に向けて
・団体が抱える現状と課題
・持続可能な活動をするためのアイデア
【情報提供】
■話題提供①:ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ協定の紹介
静岡県自然保護課 富士山南アルプス保全班 副班長 細萱宏樹氏
静岡県自然保護課細萱副班長より、昨年度の「ふじのくに生物多様性地域戦略」中間見直しを受けて、令和5年度に創設した「ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ協定」の概要、登録団体・企業の情報、協定締結状況について紹介されました。
■話題提供②:パートナーシップ協定締結企業から活動紹介
須山建設株式会社 総務リーダー 池谷貴春氏
ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ協定締結の第1号である舞阪の自然を守る会×須山建設㈱×静岡県の3者は、弁天島いかり瀬の外来植物の駆除活動に対して協定を締結し、連携して活動している。須山建設㈱総務リーダーの池谷氏からいかり瀬での活動のきっかけ、活動状況、活動を通じて感じている課題や持続k的な取組とするための展望について紹介されました。
■話題提供③:浜名湖(弁天島いかり瀬)の生きもの環境
浜名湖パドル 代表 鈴木克章氏
弁天島いかり瀬でカヤック・サップを使用した自然体験の事業を行っている「浜名湖パドル」の鈴木氏から浜名湖いかり瀬の生きもの環境について話をしてもらいました。
・昭和21年、昭和34年、昭和56年の航空写真を基に、変幻自在に変化してきた浜名湖を紹介。
・古代丸木舟を使った自然体験を実施
・三重大学の自然環境リテラシー学科の学生にも体験・環境の学びを提供
・海浜植物の楽園「いかり瀬」でハマボウフやハマゴウ、ハマヒルガオなど貴重な海浜植物が自生している
一方で、ナルトサワギクなどの外来植物も入ってきている状況を紹介しました。
・いかり瀬のハマゴウ(浜香)の群生地は守っていきたい環境で、遠州灘でも少なくなっている貴重な場所である。ハマゴウは、線香の材料であったり、江戸時代はタネを枕の材料に利用されていた植物。
・個人的にいかり瀬で季節ごと海浜植物の状況をモニタリングしており、いかり瀬はオオクサバムグラやナルトサワギクなどの外来植物に覆われている状態。
・いかり瀬は東西に長くかなり広いので、全部のエリアで外来植物から海浜植物を守るのは現実的ではないため、一部区間を決めて海浜植物を保護するようにしたらよいと思っている。
・いかり瀬の干潟では、ツバサゴカイやウミニナなどのいきものも普通に見ることができるが、これは凄いことだと思う。いかり瀬にはこのような生きものが普通に生息していることを知ってもらいたい。
(3)リレートーク
参加団体からそれぞれの活動を紹介してもらう「リレートーク」を行いました。
①日本野鳥の会 遠江支部(松岡副代表・事務局長)
<日本野鳥の会の活動>
・日本野鳥の会の遠州地区の支部(ボランティア団体)
・県から委託されガンカモ・ウ類の個体数調査と年3 回の会独自のモニタリング調査
・絶滅危惧種「コアジサシ」の保護活動
・風力発電の自治体への意見書提出(ただし、再生可能エネルギーは賛成)
・村櫛海岸や細江湖(浜名湖北部)、佐鳴湖、浜北での「定例探鳥会」を開催
・浜名湖ガーデンパークでのバードウォッチングイベントや写真展への協力
<「未来に残したい探鳥地」について>
・日本野鳥の会90周年記念として、WEBに浜名湖を「未来に残したい探鳥地」として推薦した。
・浜名湖を野鳥が観察できる地域であり続けるようにしていきたい。
・浜名湖周辺で確認された野鳥は205 種、県指定の絶滅危惧種50 種ある。
・ハヤブサ、アオバトなど貴重な野鳥を紹介した。
・環境が変化しているのか、アオバトの群れが少なくなっている。シギなど渡り鳥も減っている。
② NPO法人浜名湖ネイチャーズ(間瀬理事長、環境学習指導員2名)
・浜名湖ネイチャーズは、環境の体験教室をやってきている。楽しく環境を学ぶ方針。
・いかり瀬周辺の清掃活動
・ごみが今切口から外海へ出て行くが、その手前でいかり瀬に漂着するので、そのゴミを拾っている。
・家族づれの参加者が多い。親はゴミを拾う、子どもは磯遊びなど楽しみを提供しながら活動してもらっている。
・ランニングの市民団体(プロギング)なども参加して。いかり瀬の周囲1.6kmを定期的に清掃している。
・デンソーなど大手企業はボランティア休暇制度があり、その受け皿となっている。
・生きもの観察年間1,200人ほどが参加
・アマモの保全は、ブルーカーボンになるので、アマモの植え付けをやっている、
・拠点にしている「弁天島海浜公園」は、鉄道の駅前で駐車場もありので、学生でも遠方からでも気軽に来ることができる場所である。
会員の3名が浜松市の環境学習指導員となり、環境学習などの提供をしている。
いきもの観察会で、いかり瀬のいきものの説明をしている。アマモの保全は、アマモを育てて成長したものを植える活動をしている。
③湖西フロンティア倶楽部(片山事務局長)
市民団体で余暇を地域活動に使っている。
SDGsなど元々地域に残っている持続可能な取組を大事にしている。
子どもたちに対して森づくり体験、川での観察会を行っている団体。
湖西連峰は国有林で保護されてきたので、豊かな自然体験、棚田が残されてきた。国有林以外の森は放置されている。枯葉を堆肥、湧き水、棚田には昆虫や水性生物など生きものもたくさんいる。
里山は人が関わって保全していくこと、クヌギ、コナラなどの木を使って炭焼きなどの体験をしている。2級河川今川は絶滅危惧種も生息している豊かな川であり、観察会も行っている。
年1回村櫛でアマモ場の生態系の観察もやっており、森と海の関係を知ってもらう活動としてやっている。
④NPO法人地域づくりサポートネット(山内代表理事)
令和5年度に行った浜名湖の水をきれいにする会主催による「プラスチックごみを啓発する体験学習会」の取組を紹介した。
同NPOが体験学習会の運営を担当
今年度9月30日に新居弁天海水浴場で行ったが、単なるごみ拾い活動だけではなく、マイクロプラスチックごみを見つけよう!をテーマにごみを調べる取組を行った。その後、桟橋から湖上を遊覧して、カキ養殖の現場を巡り、いかり瀬に上陸していきもの観察を行った。
「親子で楽しみながら学ぶ」をコンセプトに実施しており、多くの申込があり、抽選になる状況である。
小学校でもマイクロプラスチックごみの問題は学んでいるので、子どもたちの関心も高く、意欲的に調べてもらった。
その他、舞阪町観光協会が観光庁の補助事業で行っている「漁業×環境×観光」を結びつけた「表浜名湖SDGsツーリズム」の紹介を行った。
はまなこ環境ネットワークも連携団体として関わっている。
⑤浜松市生物多様性はままつ2018の計画見直し紹介(はまなこ環境NW芥川代表)
今年度、浜松市環境政策課が「浜松市生物多様性はままつ戦略2018」の見直しを行っており、はまなこ環境ネットワークの芥川代表として浜松市の検討委員に参画しており、計画概要を紹介した。
方針の大きな変更はないものと思われるが、今年度末には、見直しされた計画がまとまる予定。
また、ネットワーク会員の「たんぽぽの会」より、くらしの健康カレンダー2024の提供を受けたので、芥川代表が代わりにその紹介を行った。
(4)意見交換会
○テーマ:浜名湖の環境と生物多様性
○論 点:持続可能な活動に向けて
・団体が抱える現状と課題
・持続可能な活動をするためのアイデア出し
今回の交流会(意見交換会)のテーマは、上記の内容として参加者から2つの論点を踏まえながら、ファシリテーターの進行により意見交換を行った。
参加者の意見をファシリテーターが付箋に記
入し、模造紙に貼り付けて意見を整理した。
【主な意見】
・楽しみながら活動することが第一!
・無理や負担をせず、細く長くやる(組織形態も団体に合った形態)
・企業との連携も必要であるが、企業のニーズを把握することが大切
・企業の有給休暇としてボランティアの受け皿となっていくことの研究
・情報収集力を高める(常にアンテナを張っておく)
・パートナーシップ制度や基金なども積極的に活用していく
・活動資金を得るための知恵やノウハウを共有化する
・企画力が問われる➡企画力を高めるための研修も必要
・連携にはコーディネートする人も大切
・楽しみながら活動することが第一!・無理や負担をせず、細く長くやる(組織形態も団体に合った形態)・企業との連携も必要であるが、企業のニーズを把握することが大切・企業の有給休暇としてボランティアの受け皿となっていくことの研究・情報収集力を高める(常にアンテナを張っておく)・パートナーシップ制度や基金なども積極的に活用していく・活動資金を得るための知恵やノウハウを共有化する・企画力が問われる➡企画力を高めるための研修も必要・連携にはコーディネートする人も大切
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(6)閉会
はまなこ環境ネットワークの芥川代表より、浜名湖の環境に関する活動を活発にやっていきたいので、皆さんのご意見は欲しいので、事務局にどんどん意見をもらいたい。
今後ともみなさんと連携を深めていきたいと考えているとの挨拶がされた
浜名湖の環境に取り組む団体・企業・行政が集まって、互いの活動の情報交換を行うとともに、課題解決のために意見を交わします。
■日 時 令和6年1月27日(土)
13時30分~16時
■会 場 OMソーラー㈱ 「地球のたまご」
2階カフェテリア
(浜松市西区村櫛町4601)
■内 容 ➊情報提供
1)静岡県生物多様性地域戦略
パートナーシップ協定
2)パートナーシップ団体からの
活動紹介
➋リレートーク
参加団体からの活動紹介
➌意見交換
テーマ:持続可能な活動の向けて
令和5年度に舞阪の自然を守る会✖須山建設(株)✖静岡県の3者が交わした『ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ協定』の第一号の締結をしたことにより、10月28日(日)舞阪の自然を守る会が行っている弁天島いかり瀬で外来植物の除去活動を3者で行いました!
協定締結後、はじめての協働事業です。
この日は、まず舞阪協働センターでの講習として、海浜植物に詳しい宮崎先生からのいかり瀬の外来植物の現状や種類、貴重な在来種などについて講義を聞きて、みんなで船でいかり瀬に上陸。 参加者は、舞阪の自然を守る会、須山建設㈱、静岡県の他、浜松市や湖西市内の高校生など合わせて41名と飛び入りの参加者数名が参加し、青空の下で外来植物の駆除活動が行われました。ヒメムカシヨモギ、シチヘンゲ(ピンクの花)、オオモナモミなどの外来植物が駆除できました。
舞阪の自然を守る会は、いかり瀬の外来植物の課題を抱えて活動していましたが、参加できる人材や資金が不足しており、協定締結で地域の企業からの支援を受けるができました。 船でいかり瀬に渡るための費用は企業が負担するなど、協働の体制ができ、沢山の外来植物を除去出来ました。
いかり瀬で外来植物の駆除活動を行いました!
宮崎先生による外来植物の講義
遊船に乗っていかり瀬へ!
現地で外来植物の説明
外来植物を駆除(駆除した植物は袋に入れる)
駆除できました!
駆除した植物は袋に入れて運搬
最後に須山建設からの挨拶
協定を交わした須山建設㈱の社員も参加
いかり瀬に上陸
外来植物の見分け方、駆除の方法を説明
みんなで外来植物を駆除
これも外来植物です!
船に駆除した外来植物を運搬
企業から参加した高校生に記念品を渡す
みんなで記念撮影「とったぞー!」
静岡県が令和5年8月に創設した「ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ制度」により、令和5年10月17日、舞阪の自然を守る会(浜松市)、須山建設株式会社(浜松市)、静岡県の三者でパートナーシップ協定が締結されました。
須山建設㈱は、「地域の企業として様々な地域貢献活動をしてきたが、『浜名湖』でも何か貢献できないかと模索していたところ、県からの紹介があって協力したい」と考え、協定を締結したとのことです。
今回の協定締結は、制度創設後初の事例です。
パートナーシップ協定の締結
環境保全団体の「舞阪の自然を守る会」は、舞阪町のいかり瀬の貴重な在来種が外来植物によって駆逐されてしまうことに危機感を持ち、外来植物の除去活動をしてきました。しかし、活動に参加できる人材や資金が不足しており、活動の継続が課題とされてきました。
その課題を解決するために、静岡県の仲介により浜松市内の建設会社「須山建設㈱」との協定が実現し、活動の支援を受けることができるようになりました。
2023年10月29日には協定締結に基づく活動が行われました。