令和3年度 浜名湖環境活動団体交流会


【実施概要】

●日 時:令和4年1月15日(土)13時30分~16時30分

●場 所:舞阪協働センター 2階講座室1

●参加者:20名(静岡県・事務局含む)

●主 催:静岡県くらし・環境部環境局自然保護課

●共 催:はまなこ環境ネットワーク

●内 容:

 (1)講 演 「SDGsによる浜名湖の環境活動」

       講師:浜松いわた信用金庫 SDGs推進部 副部長 竹内嘉邦氏

 (2)リレートーク

  1)情報提供(静岡県くらし・環境部環境局自然保護課)

  2)活動紹介(各団体から)

 (3)意見交換会「SDGsを取り入れた浜名湖の環境保全活動」

開催内容

1.あいさつ

 ①主催者(静岡県くらし・環境部 自然保護課 中村班長)

 ②はまなこ環境ネットワーク (芥川代表)

2.講 演

○演題:「SDGsによる浜名湖の環境活動」

○講師:浜松いわた信用金庫 SDGs推進部

             副部長 竹内 嘉邦氏

 

  浜名湖の環境活動は、SDGsとの関わりも深く、各団体の活動そのものがSDGsの推進ともいえます。

 活動団体の活動を活発化するためには、他団体や企業との連携が効果的であると考え、浜松・浜名湖地域で企業、学校、市民団体NPOなどにSDGsの普及啓発活動や相談をされている竹内氏を講師として招いて勉強しました。

●SDGsと浜名湖の環境

 国連は、持続可能な開発目標として、17の項目を列挙しています。どれも、大切な項目ですが、「浜名湖の環境」に対しては、17番目の「パートナーシップ」による様々な団体の連携が最も重要と考えます。

「浜名湖の環境」に対しては、自然・観光・文化等、様々な要素が絡んでおり、次世代に渡って、持続可能な状態で繋いでいくためには、多種多様な団体との連携が欠かせません。

これからも、この素晴らしい「浜名湖の環境」を維持し、永続していくためには「はまなこ環境ネットワーク」のように横断的な、活発で継続的な活動をしていく必要があると感じます。

 

●SDGsに対する取組のキーワード

 講師の竹内氏からは、次の3点について、意識することが重要と意見をいただきました。

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浜名湖環境活動団体交流会_講演資料.pdf
PDFファイル 2.2 MB

■リレートーク

 

●オイスカ高校自然科学部(荻氏)

平成11年からマングローブを湖岸に植えています。マングローブの干潟では水質調査や生きもの観察をしており、地域の環境学習の場として提供しています。

東日本大震災の復興支援活動を機に、遠州灘の防潮堤にクロマツを植樹する活動を行っています。松枯れが目立ち、浜名湖岸でもクロマツの植樹をできる場所を探しています。

 

●浜名湖ガーデンパーク(落合氏)

  昨年度と同様「浜名湖環境パネル展」を1月29日~2月27日の間、体験学習館において開催する予定です。昨年度のパネル展では、はまなこ環境ネットワークからも多くの団体に出展してもらいました。

 今回も参加団体を募集しているので、ぜひご参加いただきたいと思います。

※後日、まん延防止等重点措置によりこのパネル展は中止になってしまいました。

●日本野鳥の会遠江(増田氏)

 ガンカモ調査を1989年から32年間実施しています。

近年アサリが減っているという話を聞いて、「野鳥とアサリ」の関係について調べたところ、潜水型(潜って貝を食べる)の鳥は、浜名湖で1996年3万➡2021年2千羽と大きく減少していました。このことは、アサリの漁獲減と何か関係があるかも知れません。

 今後もこのような調査を継続して行っていきたいと考えています。

●湖西フロンティア倶楽部(片山事務局長)

 里山等における持続可能な社会の推進を目的に活動しており、SDGsの目的と大変類似しております。

 湖西市北部で森づくりや棚田の整備活動等を通じて、自然の豊かさや自然との共生について、子どもたちに知ってもらう機会を創出しています。

 山・森を守ることが海を守ることにつながると思っており、自然観察会や保全活動を通して、浜名湖を知ることができると考えています。

●NPO法人浜名湖フォーラム(間瀬理事)

 静岡大学と共同で弁天島においてアマモの種から苗を育てる実験を行っております。舞阪小学校、三ケ日中学校、ウォットなどにアマモの種を配って、アマモの苗を育てる協力をしてもらっています。

 団体の抱える課題として、NPOの事務局を担う人材がいないため、事務局機能の支援を行政等に実施していただきたいです。

 

●東海ビル管理(株)(渚園指定管理者・鈴木施設長)

 渚園では浜名湖を知ってもらうため様々な体験を行う予定で、浜名湖で活動する多様な団体に講師をお願いしていましたが、新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいました。空前のキャンプブームで、当キャンプ場が「ゆるキャン△」のロケ地として登場したことで、多くの来場者が来ています。

 敷地内の松枯れが激しく、これまで松の木で風を除けていましたが、西風をまともに受けるのでなんとかしたいと考えています。皆さんの中でよい知恵があればお貸しください。

 

●NPO法人地域づくりサポートネット

(浜名湖の水をきれいにする会の紹介)

 浜水会では、プラスチックごみを知ってもらう啓発活動を行っています。今年は湖西市新居弁天海水浴場で開催しました。市民の関心度は高く、多くの親子が参加しました。

 ごみを拾って、調べた結果、半数以上がプラスチック由来のごみでありました。

 終了後は、浜名湖の湖内を船に乗って、浜名湖の歴史、養殖の現場を漁師の説明を聞きながら巡り、いかり瀬に上陸して生きもの観察を行いました。

 

■意見交換:「SDGsを取り入れた浜名湖の環境保全活動」

 意見交換となりましたが、リレートークで発表した団体以外の参加団体や企業からそれぞれの取組みが紹介されました。

 

●浜名っ娘クラブ

●浜名湖シーカヤックツアーズ

●浜松市市民協働センター

●舞坂の自然を守る会

●スズキ株式会社環境課

 

■総括 :はまなこ環境ネットワーク 芥川代表

 真に「豊かな浜名湖」とはどのようなことか、もう少し議論しないといけないと思いました。湖の中で営みをする人、暮らす人、それぞれとらえ方が違います。そこでラムサール条約の考え方の環境・経済・社会のバランスが重要になり、これはSDGsの考え方とも一致します。

今後は、講師の所属企業である「浜松いわた信用金庫」とも新たに連携し、SDGsの17番目の項目「パートナーシップ」を通じて、活動が活性化していけたら幸いです。

 

2022年1月16日 中日新聞朝刊掲載記事