プラスチックごみ問題について参加者の理解を深めるための学習会と浜名湖(いかり瀬)でごみを収集し、収集したごみの調査を実施する。また、併せて浜名湖の生きもの観察や外来生物の体験学習を行った。
【実施概要】
〇日 時: 令和2年10月31日(土)9:00~12:00
〇場 所: 弁天島海浜公園及びいかり瀬
〇参加者: 総数78名
56名・20家族(一般)
15名(舞阪の自然を守る会、浜松学芸高校、県自然保護課、静岡県議、浜松市議)
5名(浜名湖の水をきれいにする会:浜松市、湖西市)
2名(運営スタッフ)
①プラスチックごみ学習会
・海洋プラスチックごみ全般を学ぶミニ講座
(今回は、コロナ禍での開催であったので屋外とした)
・マイクロプラスチックごみ収集体験
②いかり瀬のいきもの観察
・漁師から浜名湖、いかり瀬のいきものの状況説明
・干潟のいきもの観察
③外来植物の体験学習
・外来植物とその課題の説明
・外来植物の駆除体験
①プラスチックごみ学習会
今回参加者が多かったので、密になるのを避けて2つのエリアで7班に分かれてごみ袋やごみバサミなどを持って、班別にごみの収集・調査を行った。
拾ったごみを班別にシートに基づいて分類し、集計を行った。集計結果は、班別にごみの種類、数量を発表した。
集計結果の発表後、総括として運営団体から全体の約8割がプラスチックごみであったこと、ごみの状態も劣化しており、小さく破れる、割れるなどマイクロプラスチックごみに近づいていたことを方向した。
ブリーフィング
いかり瀬に漂着しているごみを収集
グループでごみの分類・集計作業
集めたごみの分類・集計結果の報告
海浜公園桟橋から船でいかり瀬に上陸
いかり瀬に漂着しているごみを収集
グループでごみの分類・集計作業
参加した子どもたちで記念撮影
②アマモ場(干潟)のいきもの観察、外来植物の学習・体験
プラスチックごみの調査(拾って、調べる)の終了後、2班に分かれて、アマモ場(干潟)のいきものや浜名湖の生態系に関して漁師による説明と観察を行った。
また、いかり瀬で海浜植物の保護、観察会を行っている「舞阪の自然を守る会」より舞阪地区を中心とする浜名湖の植物について説明がされた。「いかり瀬」はハマヒルガオやハマエンドウ、ハマボウフなどが群生し、海浜性植物の宝庫として観察会などを開催していますが、いかり瀬では外来植物や雑草が生い茂る時期となる。ナルトサワギク、アメリカタカサブロウなどの外来植物は繁殖もすごく、この地域の海浜植物を駆逐してしまうため、定期的に弁天島いかり瀬の「雑草駆除活動」を実施していたが、今年はコロナウイルスの影響で活動ができなくて、今回の学習会参加者も除去活動を体験することで、活動団体からも喜ばれた。
この地域の海浜植物と外来植物の説明
外来生物の駆除(体験)
浜名湖の生態系の現状、いかり瀬のいきもの説明
外来植物を探す(なかなか見分けがつかない)
外来植物
アマモは既になくなり、干潟で生きものを観察
ごみ調査の結果報告
7つのグループで収集したごみは、プラスチック類と発砲スチロール類が8割近く占めており、浜名湖もプラスチックごみが大きな割合を占めていた。
また、プラスチック類の内訳としてはビニール類が多かったものの、その他に該当するごみも多く占め、多様なごみが漂着していた。
ごみの状況については、流れ着くまでの時間の経過で劣化するなど、ボロボロの状況や小さく割れているなど「マイクロプラスチックごみ」に近づいていた。
2020年11月3日 中日新聞掲載記事