令和2年度 浜名湖環境活動団体交流会


【実施概要】

●日 時:令和3年2月27日(土)10時~12時

●場 所:浜名湖ガーデンパーク体験学習館

     及びオンライン

●参加者:対面の参加者11名(静岡県・事務局含む)

     オンライン参加者 12名

●主 催:静岡県くらし・環境部環境局自然保護課

●共 催:はまなこ環境ネットワーク

●協 力:浜名湖ガーデンパーク

●内 容:

  (1)団体アンケート結果の紹介、浜名湖環境に関する新聞報道の特集紹介

  (2)各団体の活動紹介(リレートーク)

   会場やオンラインの参加団体から活動紹介

  (3)意見交換

       テーマ:Withコロナ時代に向けた浜名湖の環境保全活動

1)あいさつ

 ・主催者(静岡県くらし・環境部 自然保護課 中村課長代理)

 ・はまなこ環境ネットワーク (芥川会長)

 

2)報告・話題提供(地域づくりサポートネット山内)

 ・浜名湖活動団体実態調査結果報告

 ・浜名湖の環境に関する変化を紹介した新聞の連載記事紹介

①浜名湖活動団体実態調査結果報告

 令和2年度浜名湖環境活動団体交流会の活発な意見交換を目的に、また新型コロナウイルス感染拡大により活動団体への個別取材を避ける必要があり、関係団体に対してアンケート調査を実施した。新型コロナウイルスの影響などの状況を把握した。

 



リレートーク

●浜名湖ガーデンパーク

 浜名湖ガーデンパークでは、日本野鳥の会と連携して園内で「野鳥観察会」を開催している。「トンボの観察会」も開催し、浜名湖の生きものに関心をもってもらう取組みも行っている。

 今年はコロナ禍で浜名湖ガーデンパークの集客イベントが中止もしくは規模縮小している中で、パネル展は影響が少ないとして「浜名湖環境パネル展」を開催した。今回は、はまなこ環境ネットワークの協力で11団体が出展し、見学者も増えており、連携の効果を感じていると語った。

 また、当園では今後も施設を活用して浜名湖の環境に関する情報発信を行けたらと考えている。 

 

●NPO法人むらちゃネット 

 当団体は、2004年浜名湖ガーデンパークで開催された「浜名湖花博」を契機に活動が始まった。団体では、「昔の田園風景を取り戻そう!」と荒廃した遊休農地の活用に力を入れています。

 村櫛は耕作放棄地が増えていることから、農地の所有者から耕作放棄地を仮受けて、そこを活用する取組みとして、菜の花やコスモスの栽培、アグリ体験(田植え、芋掘り体験)など地域の資源を活用して環境や景観の保全に取組んでいる。


 

●舞阪の自然を守る会 

 会では、これまでに、舞阪に生息するコアジサシの保護活動、アカウミガメ散乱保護や子ガメの放流会などに取組んできた。また、平成12年より弁天島の「いかり瀬」で海浜植物の調査を行い「まいさか自然マップ」を作成した。

 今年度は、コロナ禍で活動を自粛していたが、例年はいかり瀬での外来植物駆除活動を月1~2回のペースで実施している。一緒に活動していただける方を切に求めている。

 昨年10月は「浜名湖の水をきれいにする会」によるプラスチックごみ学習会に参加した方々に外来植物を説明し、駆除活動を体験してもらった。当日は、浜松学芸高校の生徒も参加し、若い力が必要である感じたと語った。


 

●NPO法人浜名湖フォーラム 

 当NPOでは、海のゆりかご“アマモ”を守り育てる活動をしている。団体の構成メンバーは、漁業者だけでなく、スキューバーダイバー、学校の先生、学生、一般市民など様々な方が会員となってアマモの苗づくりや苗植えの活動がメインの活動である。漁師だけの活動でなく、広く一般の方が会員として参加していることで浜名湖の環境保全に取り組んでいる。

 フィールドは、弁天島のいかり瀬付近で、ネイチャーガイド育成、自然観察会の開催、湖底の清掃活動、環境学習用ガイドブックの作成なども行っている。

 浜名湖ではアサリも採れなくなり、コロナ禍で新しい取組みも始めた。ドローンなども活用して動画撮影して、いかり瀬の風景やいかり瀬の水中撮影、アマモの再生活動などを動画配信している。環境保全だけでなく、観光にも活かして、環境と観光のバランスを考えて活動している。

アマモの苗づくり
アマモの苗づくり
アマモを再生している
アマモを再生している

 

●EM倶楽部/湖西

 EM菌(81種類の善玉菌の集合体)を活用した浜名湖に繋がる河川の水質環境の改善活動を行っている。EMボカシを活用してごみをたい肥化して市民農園に活用するなどごみの減量化にも貢献している。

 また、EM菌とアマモで無農薬肥料づくりを行い、いよいよ商品化することになった。 今まで、はまなこ環境ネットワークの団体と連携してきたが、今後もいきたいと考えている。 

 今年度は月1回 実施していた定例活動が新型コロナの影響で自粛していた。情報発信などが不得手なので、いろいろな方々にご支援をいただきたいと語った。


 

●NPO法人ラブ・ネイチャーズ

 当団体は、主に自然環境学習会を開催しています。ヒヌマイトトンボやシラタマホシグサなどの絶滅危惧種となっている昆虫や植物の保護活動を20年以上に渡って行っている。

 長年にわたる活動実績や経験は豊富ですが、メンバーの高齢化と後継者の不在が課題となっている。いろいろな方々と交流会などで知り合って、情報収集したいと語った。


 

●スズキ株式会社 (環境課) 

 スズキ株式会社では、スズキクリーンオーシャンプロジェクトという世界の環境保全に役立つ取組みをCSRやSDG‘Sとして取り組んでいる。

 世界各地で清掃活動をおこなっているほか、プラスチック梱包材を削減する取組みをしている。特に海洋マイクロプラスチックごみを回収する船外機を世界初(発表当時)で開発し、モニタリングテストでも回収が確認されるなど、経済活動をしながら環境保全にも貢献する取組みを行っている。


 

●NPO地域づくりサポートネット(浜名湖の水をきれいにする会の活動紹介)

 浜名湖の水をきれいにする会が「海洋プラスチックごみ」の啓発を目的に令和元年度より体験型の学習会を開催している。

 令和2年度は、弁天島の「いかり瀬」で漂着しているごみを収集・調査する活動を行った。同時に弁天島遊船組合と連携していかり瀬の生きもの観察会、舞阪の自然を守る会と連携して外来植物の学習及び駆除活動体験会を行った。



意見交換会

テーマ:

Withコロナ時代に向けた浜名湖の環境保全活動

 

 意見交換会では、コロナ禍による活動の自粛など、思うような活動ができない苦しい状況を話し合った。

 また、Withコロナ時代に向けた浜名湖の環境保全活動については、You Tubeを活用した動画による情報発信を新たに始めたなど参加団体からWEBやオンラインの活用事例が紹介された。

 その他、高齢化と活動の担い手不足を課題とする団体に対しては、若い学生のボランティア活動のニーズと担い手をマッチングする官民協働のサービス※を他団体が事例を紹介するなど、有意義な意見交換ができた。

※浜松市市民協働センターが提供する「ボランティアクエスト」)等

 

 

 

 また、近年、浜名湖の自然環境は、地球温暖化や生活排水の水質改善から、徐々に徐々に変化し新たな課題が顕在化してきました。

 経済・環境・観光それぞれの視点から、今後の浜名湖はどのようにあるべきなのか、浜名湖の環境の変化を踏まえて、自分たちは何ができるのか難しい問題ではあるが、これからも検討していく必要があると感じた。